第5回インタビュー企画(後編)。病院での5年間勤務をされて後に訪問看護に転職されてきた猪田さんにインタビュー。後半では、猪田さんの転職時から、訪問看護師になってはじめて気づいた学びのエピソード、そして訪問看護を志す皆さんへのメッセージを伺いました。

<プロフィール>
猪田 舞(いのだ・まい)
ケアプロ訪問看護ステーション東京 足立ステーション
2017年入社。大学病院のHCU経験後、以前からなりたかった訪問看護師になるため、ケアプロ訪問看護ステーション東京に転職。いつも真っ直ぐでマイペースな性格。足立ステーションの愛されキャラ。

★前編はこちら:「高校生の時から訪問看護師になりたかった!」|スタッフ・インタビュー 猪田舞[前編]

 

「待ちに待っての転職」ということでしたが、逆にはじめての転職という点で、不安だったこととはなかったですか?

そもそも転職活動ってどうするのかってところから分からなかったので、そこが不安でしたね。まずは、転職サイトに登録して「訪問看護がやりたい」というのは伝えんたんですけど、あまりにも電話がなり続けちゃって、1日に何件も電話が来ることに怖くなってしまって、それからは自分で探すようにしました。

 

自分で探すときは、どう探されたのですか?

東京都看護協会が運営している『東京都ナースプラザ』(https://www.np-tokyo.jp/)の無料転職サイトに登録して、就職相談会に行きました。そこはオフィシャルだから大丈夫だろうって勝手なイメージもあって(笑)。そしたら、協会の方から「自分の目で見てみないとわからないから、まずは見学に行ってごらん」とアドバイスをもらったので、『訪問看護でいきいき働く』(https://www.amazon.co.jp/dp/4840453578/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ap2ACb1R9P4SQ)っていう本でケアプロを発見して、見学にいきました。

 

見学に来たのってケアプロだけだったんですか?

ずっと「訪看やりたい、訪看やりたい」って思ってたんですけど、そもそも「自分でできるのか?」って不安になることもあったので、病院をやめる前に他の事業所に見学に行きました。ちょうど、東京都が訪問看護を体験事業(訪問看護教育ステーション事業:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/houkan/houkankyouiku.html)を行っていたので、その制度を使って認定された訪問看護ステーションに5日間くらいしっかりと訪問看護を見せてもらいました。そこで5日間訪問看護に触れてみて「やっぱり訪問看護がやりたい」と思えたので、転職を決意することができました。その経験も含めると、そことケアプロと2箇所見学を行ったことになります。

 

転職する訪問看護ステーションを選ぶときって、何を大事にしていたのですか?

うーん。社員になれるかっていうのと。(笑)がん末期の方への看護に携わりたいと思っていたので、どれくらいがん末期の方を受け入れているのか。あとは、スタッフの年齢が近いほうが、馴染みにやすいかなと思っていました。

社員になれるかっていう視点ははじめて聞きましたが、訪問看護は小さい事業所やパートでの勤務も多いので、確かに転職する人からしたら心配な点かもしれないですね。

 

訪問看護師になってから2年近くが経つ中で、印象的だったエピソードを教えてもらえますか?

がん末期の利用者さんでも、症状を上手く抑えることができれば、自宅でその人らしく楽しく暮らせるという場面を目の当たりにしたことですかね。日々の訪問の中で、他愛もない話やこれまでの人生について教えてくれたり、そういう何気ないけど楽しい時間に関われたり、家族と利用者さんがいきいきと過ごされている場面をみたりすると、看護師の私自身も幸せな気分になっちゃいます。自宅で家族と笑い合っている場面とか、家族は利用者さんのことを思っていて、利用者さんも家族のことを思っていて、そういう風に暮らしていけるって素敵だなって思います。

どうしても病院だとそんな場面って見る機会がなくて、HCUは面会制限はありませんがご家族が泊まるには不十分な環境ですし、少し食事をむせたら絶食になっちゃったりしたので、病院とは異なる「暮らしの場面」という環境で看護をさせて頂けることに、やりがいを感じます。やってることは在宅だからって特別なことはないんですけどね。

 

同じ看護でも、意味合いが変わったような感じということですか?

そうですね。どうしても病院だと制限もあったり、できることが限られてしまうのは致し方ないですし。そもそも「病院で家族と団らん」っていってもなんだか無理がありそうじゃないですか。同じ症状コントロールという看護でもその先に見える光景が変わった感じです。

その後の対象者さんの生活次第で、行った看護の意味がガラッと変わったのですね。
病院と在宅、良し悪しはないですが、対象の方にとっての価値から看護の意味合いを考えなければならないと、改めて気が付かされますね。素敵な気付きだなと感じました。

 

訪問看護に入ってから、逆に戸惑ったこととかはありましたか?

訪問看護に入ってはじめて、如何に自分がルーティンワークをしていたかっていうのを思い知ったことですね。私の個人的な性格もあると思いますが、なんだか「こなす!」って感じになってしまっていたように思います。
「患者さんの立場に立って・・・」ってよく言いますし、自分も考えているつもりだったんですけど、在宅に来てから全然考えられてなかったこと気が付かされましたね。あまり考えずに、目先のことしかしていなかったと気がつきました。

在宅に来てから、「そこまで深く関わるのか!」っていうのはびっくりしました。今までは疾患ばかり看てしまっていたんですが、在宅に来てからは「その人」を看ているって感じです。

なるほど。戸惑いの側面もあったと思いますが、今の話を聞くと訪問看護師になって初めて気がつけた学びという側面もありそうですね。いつも前向きな猪田さんらしいですね。

 

今後の猪田さんの抱負を教えてもらえますか?

緩和ケアをもう少し極めたいと思っています。極めるっていっても知識をつけるだけじゃなくて、在宅で暮らす方への知識を活用して活かすっていうことを学んでいきたいなと思います。医療的知識だけじゃなくて、論理的に考えることとか、ファシリテーション力やコミュニケーション力も身に着けないと、せっかくの知識が使えないんで学び直したいと思っています。在宅は教科書通りのことはほぼないので、都度考えて看護ができる看護師になりたいです。

 

最後になりますが、これから訪問看護師になりたいと思っている看護師さんや学生さんにメッセージをお願い致します。

やりたいと思った時に、やってみるのが一番いいのかなと思います。不安を持っているようだったら、まずは見学にきて、直接現役の人と話したり、現場を自分の目でみると変わってくると思います。
自分も、転職前は不安で色々調べたんですが、いくら調べても分からないことだらけなので、今やっている人に話を聞くのが良いのではないかなと思います。

今日は、素敵なお話をありがとうございました。

 

★前編はこちら:「高校生の時から訪問看護師になりたかった!」|スタッフ・インタビュー 猪田舞[前編]

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