第6回インタビュー企画(後編)。今回は、ケアプロ初の「おとな新卒」の前田さんにインタビューを行いました。後編では、これまで様々な経験を積んできた前田さんから見える、訪問看護の現場エピソードについてお話を伺いました。

<プロフィール>
前田 祐典(まえだ・ゆうすけ)
ケアプロ訪問看護ステーション東京 足立ステーション
社会人経験を経てから看護学校に入学し、2018年4月に新卒訪問看護師としてケアプロに入社。看護師になる前は、美容師、訪問美容、介護福祉士、ケアマネなどの様々な経験の後、訪問看護師を目指してケアプロへ。穏やかな雰囲気にも関わらず、内面に熱い想いを持っているメンバーです。

★前編はこちら:40歳からの新卒訪問看護の道|新卒訪問看護師インタビュー 前田祐典 [前編]

 

一年目が終わる頃ですが、訪問ではどのような方に訪問することが多いですか。

訪問している利用者さんの疾患で言うと、心不全、呼吸器疾患、DM、ターミナル期、ALSや難病など、幅広く訪問していますね。もちろん、最初は比較的軽度な方や親しいご病気をお持ちの方から訪問を初めて、そのうちに色んな方に行くようになった感じです。単独訪問は、3ヶ月目くらいから少しずつ行き始めるようになりました。

 

実際の訪問看護で働いて、印象的だったエピソードはあります。

ALSの方の訪問が印象的でしたね。4月からずっと同行訪問を行わせて頂いて、11月ごろから単独で訪問をし始めた方なのですが、信頼関係の重要さを学んだケースでした。
その人なりの生活のスタイルのこだわりがある方で、ALSの方にはこれまでもヘルパー時代に関わったことがあったんですが、コミュニケーションのとり方も人それぞれ違いますし、歯磨きを介助するにもなかなかご本人の納得される形で行えなくて。。。技術的なところでつまづいていたんですね。ALSの進行で自分で体が動かせない分、より敏感になられている側面もあったり、どうしても「本人の想いのままに」というわけにはできなかったんです。でも、ご本人の想いを少しでも違和感がないように普段の会話にも意識してみたら、ご本人が自分のことを認めて信頼してくれるような感覚があったんですね。そのうち、一緒に他愛のない話をしながらケアができるようになったりしていったんです。

今思うと、できるだけご本人の想いに添えるように技術は磨いていくのですが、完全に思い通りにってわけには行かないことがほとんどだと思うんです。だから、技術的な側面だけではダメで、ちゃんと信頼関係を構築することを意識してから、その方が認めてくれたのではないかと思っています。MAX100の満足度があったら、それを全て技術で補うことはできないので、利用者さんに満足してもらうには技術と信頼関係の両方が大切だと思います。しかも最近は。技術よりまず信頼関係を築けるかが大事だなと思うようになりました。利用者さん一人ひとりに求められる技術って多様で応えられないものもあるけど、信頼関係は自分たちがちゃんと意識したら築いていけるんじゃないかなと思います。

 

まず目に見える「技術」にチャレンジしていった先に、信頼関係の重要性を学んだケースだったんですね。その利用者様には素敵な学びをさせて頂きましたね。
そんな現場のエピソードも伺いましたが、新卒から訪問看護を行うキャリアって、どんな魅力を感じますか。

魅力としては、もともと自分自身が在宅領域に興味があったということと、在宅を終の棲家として家を選びたい人が多いし、社会的にも在宅医療を進めていこうという流れがあるので、自分もそのニーズに貢献できるということにやりがいを感じますね。もちろん、看護師に限らずではありますが、在宅で看護を必要とする方もどんどん増えていくと思うので、そこに携わって貢献できたらうれしいですね。あとは、利用者さんに加えて家族の方とも深く関われますし、多職種でより深く連携しながら、その1つの家庭を支える仕事に魅力を感じます。

 

逆に、課題としてを感じていることはあります?

最近は、単独で訪問することが多くなってきましたが、全てを一人で判断できるわけではないので、例えば「これは今すぐ報告したほうが良いのか、事務所に帰ってからでいいのか」など、判断に悩んだりすることはよくあります。同行訪問もしっかりして、単独訪問のチェックをしてから一人で訪問してますが、多かれ少なかれ現場で悩むこともありますし、判断に迷い、責任感を感じる部分もあります。でも、ケアプロでは、すぐに所長や先輩に相談できる体制があるので、まず自分で考えて、それからちゃんと1つ1つ相談をしながら解決するようにしています。全てに備えるということはできないので、1つ1つ相談しながら経験を積んでいく感じでやっています。

あと、病院と違って、すぐに誰かが見に行ける環境じゃないので、よく所長からは「1回の訪問で、その人の1週間の生活を看れるように」とフィードバックをもらいます。そもそも、生活って言ってもそれぞれに違ったり、医療面だけでは想定外なこともあるので、自分に生活を看る引き出しを作るのに、時間はかかると思います。

 

話を聞いていると、現場で感じる課題って、「新卒だから・・・」という課題ではなさそうですね。

そうですね。病院の経験がないからどう、あるからどうってことではないと思います。もちろん、経験によってプラスになる部分はあると思うんです。でも、病院経験がないから、マイナスということではないと思いますし、病棟経験があれば訪問看護ができるということでもないと思うんです。

よく「3年は病院で」と言いますが、「3年やったら訪看ができる」とは誰も言わないですもんね。なんとなく、「経験の有無が大事」という話になりがちですが、どの経験を積むのか、積みたいのかということが大事ということですね。

 

少し話が変わりますが、1年間働いて、前田さんから見たケアプロってどんな職場ですか?

働きやすい職場ですね。具体的に言うと、仲がいいと言うかコミュニケーションが非常に多い職場だなと思います。あとは、他のケアマネさんからよく「接遇がイイ」って言われますね。何か特別に教えられてということではないですが、利用者さんであったり、連携する方々に対して、ちゃんと丁寧に対応することが当たり前になっていると感じます。意外と相手のことを考えて丁寧に関わることが出来ない事業所も過去に見てきた経験があったので、当たり前な丁寧さを当たり前にできる雰囲気のいい職場だなと感じます。そして、社会に貢献することに本当に前のめりな会社ですね。みんな真剣に、利用者さんのことを考えて看護をしている組織だと思います。

 

そろそろ終盤の質問になりますが、今後の前田さんの目標について教えてもらえますか。

今の課題は、アセスメントの引き出し作りですね。今は、アセスメントのバリエーションが少ないので、実際に生活を見ながら色んな引き出しを持った看護師になりたいと思います。もちろん、看護師として責任感をもってやるべきことは事前に勉強していきますが、やはり訪問看護の現場に繰り返し立たないと見えてこないものもあるので、しっかり現場から学ばせて頂きたいと思います。

 

生活に関わる看護師として、生活者である利用者さんから学ぶことはとても大事な姿勢ですね。さらなる、前田さんの成長を期待したいと思います。
最後になりますが、訪問看護を志している方に、メッセージをお願いします。

結局、やってみないとわからないので、本当に興味があるならやってみることが大事だと思います。実際にやってみてはじめて、訪問看護について感じたり分かることが出てくるので、実際に自分でなって触れてもらえるといいと思います。

今日は素敵なお話をありがとうございました!

 

★前編はこちら:40歳からの新卒訪問看護の道|新卒訪問看護師インタビュー 前田祐典 [前編]

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