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公開日:2015/01/28

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日医と日薬、薬局での自己採血検査で合意

すでに1,000ヶ所以上の薬局で検体測定室が届け出ている。一方、検体測定室とは異なる自己採血サービスも多々行われており、これに対して、日本医師会会長の横倉氏と日本薬剤師会会長の山本氏は昨年12月17日に共同で会見した。そのことについて触れたい。
2014年4月、厚生労働省は、ケアプロのように、「自己採血」「分析」「結果」のすべてがその場で行われるサービスについて、「検体測定室ガイドライン」で品質管理するように通知した。一方で、「自己採血」はその場で、「分析」は別の施設で実施し、「結果」は後日というサービスが、薬局を中心に展開されていたが、これはガイドライン外であった。そこで、品質管理のために、こうした検査についてもガイドラインに対応するべきであるという合意に至ったことが発表されたのだ。
合意事項は、1)検査は原則、医療機関で行う、2)薬局等で自己採血検査を行う場合にも、検体測定室に関するガイドラインを遵守する、3)地域住民の健康は、かかりつけ医が中心として、多職種が連携して支えていく、4)健康情報拠点事業の推進も、地域のかかりつけ医の十分な理解と、適切な指導のもとで行う、の4点。この合意内容を見ると、地域医師会への配慮が十分になされている。また、健康情報拠点事業についても日医から日薬に対して釘を差される形だ。
山本会長は、「薬剤師の役割は、医薬品や衛生材料等の供給を通じて、医療に参画し、国民の健康を守ること」とした上で、「(今回の合意による薬局での自己採血検査の普及について)マイナスに働くとは考えていない。慎重な準備をすることにつながる」と述べた。「薬局における自己採血検査を普及させていくスタンスか」という質問に対しては、「薬剤師として、それが本来の役割かどうかをまず考える必要があるだろう」と回答した。
なお、この合意が発表されたことに対して、厚生労働省がガイドラインの対象範囲を広げるといった通知を出しているわけではない。また、現場の薬局のすべてがガイドライン同様の対応をするとは限らない。ただ、この合意の結果として薬局業界への調査や評価が行われていく可能性があり、個々の薬局がどのように対応していくのか、注目である。しかし、ガイドラインの詳細を知る私からすると、「検体測定室のガイドライン」を順守することは大きな痛手になる。例えば、薬局で行われている自己採血検査サービスの検査項目には尿酸やビリルビンなどが含まれているケースもあるが、ガイドラインで認められている検査項目には含まれていないため、今までのサービスを停止しなければならない。
ケアプロにとっては「検体測定室ガイドラインを、元祖として遵守していること」が、これまで以上に意義がある。そして、薬局業界の反応は、まだ分からないが、ガイドライン対応は品質担保と同時にハードルにはなる。また、郵送検診業界等はガイドラインがなく、それらの自己採血検査への影響もいずれ出てくるだろう。
今回のやりとりを見て、医療安全と品質担保のために厚生労働省を飛び越えて医師会が直接的に動いていることと、薬剤師会に検体測定室以外でもガイドラインを順守するようにという法的拘束力に近い影響を与えていることに驚いた。
※なお、本文は「厚生福祉(時事通信)」への掲載記事に加筆・修正したものです。