平成27年度「全国安全週間」は7月1日から7月7日であった。
工事現場では毎年のように全国安全週間で様々な取り組みをしているというで、
今回は、工事現場で働く職人の方々の健康意識の向上のために、
ケアプロの健康イベントを開催することになった。
工事現場は梅雨や日差しの影響を受けるが、
今回のイベントは空調が万全の事務所で実施した。
午前中の仕事が終わって事務所に戻ってきた職人の皆さんに、
白衣姿のスタッフが、健康チェックの説明をし、スムーズに測定が行われた。
結果をすぐその場でお伝えし、職人さん同士でも結果を比較し合うなどして
終始和やかな雰囲気であった。
測定結果は基準値内の方が多く、
「現場で身体を動かしているからね」
「母ちゃんの弁当を食べているし」
「妻からも健康のことは気にするように言われている」
「早寝早起きだよ」といった声が聞かれた。一方で
「やっぱり、タバコを吸うから、今度は肺年齢も測ってみたい!」
「抜け毛が気になる」「忘れっぽくなってきたので認知症の検査もしたい」
というニーズもお聞きすることが出来た。様々なところに健康チェックのニーズがある。
ケアプロの通常の顧客層は、中高年主婦が多く、中高年男性は相対的に少ない。
ケアプロが駅ナカやデパートで測定イベントを実施していても、
男性の方からは「男性でも受けられるの?」「ちょっと恥ずかしいなぁ」という意見を頂いていた。
男性は男性だけでひっそりと受ける機会があったほうが良いのだ。
なお、平成 27 年度全国安全週間実施要綱を読むと、
全国安全週間は、昭和3年に初めて実施されて以来、「人命尊重」という崇高な基本理念の下、
「産業界での自主的な労働災害防止活動を推進し、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」を目的に、
一度も中断することなく続けられ、今年で88回目を迎える。
しかし、平成 26 年上半期は労働災害が大幅に増加し、8月に緊急対策を講じたものの、
平成 26 年の労働災害は前年を上回る結果となった。
この増加の背景には、消費税増税前の駆け込み需要や大雪の影響のほか、
産業活動が活発化する中で人手不足が顕在化し、
職場に潜む危険要因を察知できるだけの経験が無い未熟練労働者が増えていることや、
企業の安全管理体制のほころびが想定される。
工事現場では、複数の職人グループが協力しあって作業にあたっている。
一つの職人グループにはだいたい5名程度の職人が属し、
その職人グループの長が職長である。
職長同士の集まりとして「職長会」が結成されており、
仕事の役割分担や工期の進捗共有、安全面に関する注意喚起などをしているのが職長会だ。
そのため、今後も工事現場の職長会と協働して工事現場での健康啓発イベントができるとよい。
2020年のオリンピックまでは建設需要は大きく、
人手不足と職人の高齢化が顕在化しているため、
職人の健康維持・増進は重要である。
今後も、社会の健康ニーズに合わせて、適切なパートナーと連携して、
健康維持・増進の機会を創っていきたい。