台風の夜、自宅に帰ってきたと思ったら、自宅前の駐車所に、おじいさんが倒れていた。
「大丈夫ですか?」と声をかけると、顔を上げるおじいさん。杖があり、缶ビールの入ったビニール袋、洋服はみすぼらしい、傘も持っていない。
「家はどこですか?」と聞くと、歩いてすぐのところだった。「一緒に歩いていきましょう」と伝えても、「大丈夫だから、ほおっておいてください」と言う。聴けば、糖尿病を患い、独居。うつ傾向。失禁していて臭い。
「ここにいるのは危ないので、家に帰れないのでしたら、救急車を呼びましょうか?」と伝えるが、首を縦に振ろうとはしない。通りがかった女性の方にも手伝ってもらい、肩と腰を持ち上げて、なんとか自宅まで歩いて連れて行った。何度も、「申し訳ありません」とこぼし、自宅の玄関で土下座された。
マンションの管理組合にも入っておらず、介護サービスも活用できていない。社会的孤立であり、孤独死のリスクを肌で感じた。
目前の課題は氷山の一角である。