ケアプロ看護師の高萩は、セルフ健康チェックの現場でこんな会話があったという。
「待って、あなたたちはどういう思いでやってるの?」「でしょ!立派なことよ。自分の健康を自分で守るのはこれからの時代必要だわ。」このお客様のお声によって、「そうよね~」と踏みとどまって下さる方が、多数いたと。
また、他の看護師も現場で、「私はあなた達を本当に応援している。ミッションがすばらしい!自分の都合ではなく、社会に必要なことを信念をもって行っている・・・どれだけあなた達の存在が有り難いか・・・」
しかし、事業拡大によって新しいスタッフが増え、現場の業務をやることばかりに目がいってしまうと、ミッションが薄れてしまう。検査件数を増やすために、結果説明が雑になったり、単価をアップさせるために、不要な検査までお客様に勧めてしまったりしてはいけない。
先日、知り合いの看護師の大先輩が地元の駅でワンコイン健診をしているスタッフに「なぜこのような活動をしているの?」と聞いたけれども、イマイチな回答だったと。おそらく、ミッションや解決すべき課題について明快な反応が欲しかったはず。事業拡大によって新しいスタッフにケアプロのミッションが行き届いていないリスクはあり、気を引き締めなければいけない。
私が、看護学生の時に、実習先の病院に、“当院の使命”という額をよく見たが、職員の多くは病院の使命を知らず、「どうでもいい」とさえ思っている人もいた。設立当時の院長先生の思いがあったとしても、薄れていくこともあると思う。
セルフ健康チェックのミッションは、健診弱者3600万人を救い、生活習慣病予防と医療費抑制をすること。そのため、ミッション達成に近づいているかを評価するための指標として、健診弱者の利用者数や早期受診、健康状態の改善などをみている。
全社的には、現在、入社時のミッション共有の研修を行い、日々の仕事でもミッションが書いてあるリーフレットやPOPなどを見ることでミッションが浸透するようにしている。そして、ケアプロメンバーはもちろん、利用者、取引先などにミッションへの共感の和が徐々に広がり、ブランディングされていくといい。
ただ、取引先の中には、あやしいサプリメントを売るためにセルフ健康チェックを活用したいというところも出てきたりして、ミッションにつながらない、むしろ、後退するような誘いもあり、しっかりお断りしていかなければならない。
私を含め現在のメンバーが死んでも、将来のメンバーが、組織を担っていけるようにして、“当社の使命”なんて、どうでもいいや、と100年後の社員に言われないようにしたい。言われたタスクをやらされるだけのタスクマネジメントではなく、ミッションのためのPDCAが回るような経営をしていかなければ!
川添高志