2007年12月12日にたった1人で始まったケアプロは、様々な方々のご支援を受けながら、その時代における社会課題を解決する様々な事業に取り組んでまいりました。ケアプロは、ヘルスケアの「ケア」とプロデュースの「プロ」の造語であり、「革新的なヘルスケアサービスをプロデュースし、健康的な社会作りに貢献する」ことをミッションとしています。
高校時代に、高騰する医療費や超高齢多死社会の中で、「キュア」には限界があり、疾病予防や健康増進、障がいや病気があっても、その人らしく生きていくことを支える「ケア」を中心としたヘルスケアシステムを再構築していくべく、看護師で起業することを志しました。
慶應義塾大学看護医療学部に入学した後、足を切断する糖尿病患者と出会い、予防医療が十分行き届いていない日本の現状に強い問題意識を持つようになりました。また、米国研修では、医師なしでスーパーマーケットの中で検査やワクチン接種などを行うリテイルクリニックの業態を知りました。その後、東京大学医学部付属病院で、看護師として勤務する中で、「自己採血」は医療行為ではないことに着目し、「ワンコイン健診(現セルフ健康チェック)」を構想しました。
弊社が設立された2007年は、自己採血による簡易検査の法的位置づけが不明瞭であり、2008年11月に日本初のワンコイン健診ショップ開設後は、その事業の運営や展開に様々な困難を伴いました。しかし、政財界へのアドボカシーを続けた結果、自己採血簡易検査の規制改革を実現することができました。
加えて、2011年に東日本大震災の支援活動では孤立死の問題に直面したことをきっかけに、2012年より訪問看護を開始しました。絶対的な訪問看護師数の不足を解決するために、これまでは難しいとされてきた「新卒訪問看護師」の採用と育成が可能な体制作りを図ることで、訪問看護業界を質的・量的に変えていく取り組みを、聖路加国際大学や全国訪問看護事業協会とともに展開しています。
さらに、2020年の新型コロナウイルス感染症の中で、交通弱者に対する外出支援プラットフォーム「ドコケア」とスポーツ救護の「ALL SPORTS NURSE」を開始しました。外出やスポーツ等のイベントが安全・安心に行われるように取り組んでいます。
我が国には憲法があり、誰もが健康に生きる権利が謳われています。これからも誰もがあたりまえに健康になれる社会の実現に向けて全力を尽くしていきます。