HbA1cと貧血の関係|正しく理解して健康に過ごそう
公開日:2021/07/13 最終更新日:2023/10/17
HbA1cと貧血はどちらも、ヘモグロビンというタンパク質を測定しています。
ヘモグロビンの濃度が低いと貧血になり、HbA1cは高くなる傾向があります。
この記事を読まれているあなたは、どのようにここに辿り着きましたか?
「貧血 ヘモグロビン」や「HbA1c ヘモグロビン」と検索し、よくわからずにクリックして辿り着いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
検査項目としては全く別の項目を指していますが、検査しているものは同じなのです。
それぞれ、どういう項目なのか深掘りしていこうと思います。
貧血とは?
貧血とはヘモグロビン濃度が低い状態を指します。
「貧血」という言葉自体は聞いたことがあると思います。
代表的な疾患は「鉄欠乏性貧血」です。
貧血は病気ではない
ここで、
「貧血って病気の名前じゃないの?」
と思うかもしれません。
実は、貧血は病気の名前(診断名)ではなく、あくまで状態を示しているだけなのです。
〇〇〇貧血とつく病気は数種類ありますし、がんや慢性疾患、多量の出血などでも貧血という状態という状態になります。
貧血は血が少なくなるわけではない
そもそも貧血は、血が少なくなる…わけではありません。
血液そのものがなくなったら、いわゆるゾンビのようになってしまうことでしょう。
冗談はさておき、貧血は血液成分の一つである赤血球が
- 減ってしまったり
- 作られなくなったり
- たくさん壊されたり
- 薄く形の悪いものが増える
ことで起きます。
例えば、小さい子が頭をぶつけて鼻血が止まらない…なんてことがあったとしましょう。
鼻血が仮に1時間で止まったのと、丸1日止まらなかったのとでは、体内に存在する赤血球の数が大きく変わってきます。
減ったはいいものの、赤血球が作られなかったり、不良品の赤血球がたくさん作られてしまうと、げんきになるまでに時間がかかってしまうのです。
貧血とヘモグロビンの関係
正常な赤血球を作るためには、タンパク質が必要になります。
赤血球に含まれるタンパク質は、鉄(ヘム)とタンパク質(グロビン)が結びついたもので、ヘモグロビンといわれています。
赤血球の主成分はヘモグロビンなのです。
血液中のヘモグロビンは、肺で酸素と結びつき、全身に酸素を運び、二酸化炭素を回収して再び肺まで運ぶ働きをしています。
もし鉄分やタンパク質が不足してしまうと、赤血球の主成分であるヘモグロビンを作ることができずに、小さくなったり、作られないこともあるのです。
そうなると全身に酸素が行き渡らずに、
- 動悸
- 息切れ
- 疲労感
- 頭痛
などが起こりやすくなります。
ではHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)って貧血に関連する検査なのかな?と思うかもしれませんが、全く違います。
HbA1cとは?
HbA1cとは、検査前約1〜2ヶ月前の平均的な血糖値を示しています。
先程お話ししたように、ヘモグロビンは酸素を運び、二酸化炭素を回収する役割がありました。
ここで、「え、なんで血糖値が関係するの?」と思うかもしれませんね。
実は、血液中のブドウ糖はヘモグロビンと結びつくことがあるのです。
ではどういう時に結びつくのでしょうか。
それは、血液中にブドウ糖が多い時にヘモグロビンと結びついてしまうのです。
ヘモグロビンに結びついたブドウ糖は、なぜだか簡単に離れない性質があります。
簡単に離れないので、赤血球が寿命を迎えるまでブドウ糖がヘモグロビンに積み重なります。
赤血球の寿命は約4ヶ月(120日)と言われているため、寿命を迎える前の赤血球たちを測定しています。
なので、検査前約1〜2ヶ月くらいの血糖値を反映していると言われているのです。
例えば、毎日ホールケーキを一つ食べるとしましょう。
すると、血液中のブドウ糖は毎日高い状態になりますよね?
そして、高すぎるブドウ糖が積み重なったヘモグロビンを検査してみると…
HbA1cが高値という結果になるのです。
ここまでで、ブドウ糖が多いとヘモグロビンに結びついてしまうということはわかりました。
では、ヘモグロビンが少ない貧血の状態だったらどうなるのでしょうか?
貧血の時のHbA1cとは?
冒頭でもお話ししたように、ヘモグロビンが少ないとHbA1cは高くなる傾向があります。
しかし、一方で貧血の治療中で、貧血が改善されている途中のHbA1cは低くなる傾向があります。
なぜなのでしょうか?
酸素を全身に運ぶためにヘモグロビンは全力で体内を駆け巡ります。
ここで、貧血でヘモグロビンが少なかったら、酸素を全身に不足なく運ぶために頑張って駆け巡るはずです。
そのため、頑張って駆け巡っている中で、ブドウ糖と触れ合う機会が増え、できるだけ長持ちさせようと赤血球の寿命ギリギリまで働かされることになります。
ここで、寿命ギリギリの、ブドウ糖とたくさん触れ合って結びついたヘモグロビンを検査してみてください。HbA1cは多少高くなるはずです。
逆に貧血の治療中で出来立てホヤホヤの赤血球がたくさん体内に存在していると、ブドウ糖とあまり触れ合う機会がなく、ブドウ糖と結合されないまま検査されるのです。
ブドウ糖と結合されていないヘモグロビンを検査するので、HbA1cが低くなる傾向になるわけです。
貧血でもHbA1cをできるだけ正しい結果を知るには?
貧血でもHbA1cをできるだけ正しい結果を知るためには、
医療機関で関連する検査項目と一緒に検査を受けましょう。
血糖値が高い=糖尿病、貧血=鉄欠乏性貧血というわけではありません。
ひょっとしたら、ホルモンや甲状腺の病気だったり、別の種類の貧血だったということもあるかもしれません。
そうなってくると治療方法が全く違ってきます。
血糖値も貧血も緩やかに進行すると言われているので、気づいた時には手遅れになっていることもあります。
薬を使ってしっかり治療すれば良いですが、命に関わる貧血は輸血をすることもあります。
血糖値が高い原因、貧血の原因を調べて、早期発見・早期治療をすれば検査数値も偽の値として教えてもらうことも減るでしょう。
それ以上にげんきに過ごすことにもつながるはずです。
困ったら、まずは内科の病院で相談してみてください。
病院にいくのが少し怖い時は
検査をするにも、病院に行くのはちょっと怖いな…というときは、
弊社の事務所での検査を活用してみてください!
血糖値とHbA1cに関しては、検体測定室という場所で手軽に測定することができます。
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