昨日、聖路加国際大学や全国訪問看護事業協会と一緒に取り組んでいる
「第1回 新卒訪問看護師の育成者養成セミナー」が開催され、
非常に有意義な時間でした。
下記、備忘録に、重要だと思ったことをメモします。
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訪問看護師は、病院で経験して、ある程度してから、
訪問看護師として採用されることが99%です。
ある意味で、訪問看護ステーション経営者は、
看護師養成の基礎を病院等に任せており、
病院市場から看護師を仕入れています。
新卒で採用して教育するよりも、
病院経験が長く、出来上がった人を採用したほうが
教育コストもかからず、すぐに稼いでくれる、
というのが今の常識。
その際、訪問看護の素質があり、
熱意もある人財が採用できることもあれば、
病院の夜勤はもう疲れて、
訪問看護はお茶飲めるんでしょというノリの人材を
採用してしまうこともあります。
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話は変わりますが、蕎麦を食べるときに、
国産のそば粉を仕入れて作っているところもあれば、
中国などから仕入れたものを茹でて出すだけのところもあります。
コストがかかる、
蕎麦打ちのスキルがある人財がいない、
質を高めようとは思わない、
同じ蕎麦なら何でもいい、
様々な理由があります。
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さて、本当に大切な製品、食品、医療、技術などは、
国内まはた自社で「ゼロから創ることができなければいけない」です。
その最大の理由は、
創り方を知らないと、
他国や他社から仕入れが切られてしまうリスクです。
これは、政治やビジネスにおいて、
非常に重要なポイントです。
もちろん、
ある程度の市場がある仕事や産業であることが前提です。
※超ニッチの商品やサービスは輸入や他社仕入れでよいです。
多くの人が求める仕事こそ、
国内で創造していける競争力を持つ必要があります。
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トヨタが国産四輪自動車を創るときに、
欧米諸国からは笑われましたが、
モータリゼーションの時代において
国策として取り組んだことの成果は大きいです。
これから、訪問看護が重要と言われる中で、
訪問看護師の養成を、
訪問看護ステーションが実はしっかりできていない、という現実があります。
いろいろなバックグラウンドの看護師は
質にばらつきが多く、
利用者は情報の非対称性の中で、
選択権が小さいのです。
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そのような中、「新卒訪問看護師から作っています」という
原材料から有機栽培です、的な取り組みは重要です。
新卒の教育方針や方法、体制などを、
組織の中で統一し、
質の統一とレベルアップに向けた取り組みがなされます。
そして、ベテランを採用したとしても、
新卒のために構築した教育プロセスを活用することで、
質の統一とレベルアップがされます。
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もちろん、そのためには、弛まぬ努力が必要です。
投資回収できるビジネスモデル、
自社以外の協力者・パートナーの確保、
自社での風土づくりとリーダーシップ、
反復継続可能なノウハウの構築など。
今まで、材料を仕入れ中心の業界が、
自家栽培中心の業界となっていく
大きな転換期となることでしょう。
※写真は、以前、友人らと行った浅草の蕎麦屋