第22回日本看護管理学会学術集会において、発表した資料を公開します。
過去10年で訪問看護市場が265%成長したことに関する6つの影響因子と各因子の成長率について、調査・分析し、考察しました。
下記、結論です。
<結論>
1.質や経営の点から事業所の大規模化を推進した市場成長が求められる
2.平成19年度から平成28年度(10年)の訪問看護市場の成長は、成長倍率265%、年平均成長率11%であった。後期高齢者数の伸びよりも利用者数の伸びが大きく、訪問看護利用率が高まっている
3.そのような中、「訪問看護事業所数」の伸びが「一事業所当たり訪問件数」の伸びを上回っており、大規模化よりも多店舗化が進んだ
4.平成28年度から「平成37年度(2025年)」の10年間の訪問看護市場が、過去10年の年平均成長率と同じ11%で成長する場合を試算した。大規模化を推進し、事業所数を現状維持としたところ、一事業所当たり看護職員数(常勤換算)は、4.8人(平成28年度)から12.7人(平成37年度(2025年))となった
5.今後、大規模化を推進するために、大規模化を推進する課題と成功要因を明らかにし、開設数規制政策や大規模事業所の管理者育成、大規模化に必要なIT投資助成、人事・教育制度の普及などを検討していくことが求められる
今年も、新たな研究や実践を踏まえて、訪問看護業界のあり方を考えながら、自分たちにできるモデルづくりとその普及啓発に取り組んでいきます。