ケアプロインターン生のインタビュー第2弾は、「オリヒメ分身ロボットカフェ」の取材です。オリヒメ分身ロボットカフェの理念や目指す社会についてご紹介いたします。ケアプロの子会社エイチ・ユウ・ジーが運営する小児専門訪問看護・介護ステーションHUGの利用者さんが、自宅からロボットを操作して、カフェで働いているということを聞いて、取材することになりました。
動画はこちらからご覧ください→大学院生になるしほんぬチャンネル
オリヒメカフェとは何か
オリヒメ分身ロボットカフェとは、「寝たきりになったら、何もできない」という思い込みを払拭する取り組みをしているカフェです。「人類の孤独の解消」をミッションとするオリィ研究所が行う研究プロジェクトの一環です。正式名称「DAWN AVATAR ROBOT CAFE Ver.β」には、これまでの制約からの「新たな夜明け」と、「常に試行錯誤を繰り返し成長する」という決意が込められています。ALSなどの重度障害のために生活に制限があった寝たきりの方でも、分身ロボット「オリヒメ」を自宅から操作することで、接客のお仕事を諦める必要が無くなりました。
オリヒメ分身ロボットカフェのオシャレな店内
オリヒメカフェにはどのような方が働いているのか
オリヒメ分身ロボットカフェでは、身体に障害があるパイロットが多く働いています。パイロットとは、ロボットを遠隔で動かして接客するスタッフのことを言います。
今回、接客をしてくださった五十嵐裕由(カーリー)さんは、指定難病「後縦靭帯骨化症」の悪化により車椅子生活をされている方でした。
カーリーさんは、これまで接客のお仕事をされていましたが、転倒により仕事復帰が難しくなっていました。そんな時に「オリヒメ分身ロボットカフェ」に出会いました。接客を通して身体が不自由で車椅子生活になっても人と関わり続け、自らの可能性を広げたいという思いを聞くことができました。
自己実現し、日々を楽しく過ごしているカーリーさんの活動は、YouTube「カリメロちゃんねる」で見ることができます。
身体障害を持つ方の外出について、カーリーさんとお話して考えたこと
ケアプロには、ドコケアという外出支援サービスがあります。外出が困難な方と、外出を支援することができる看護学生や看護師をマッチングするプラットフォームです。
私も、先月から介助者としてドコケアに携わってきました。その中で、「人が外出することの意味」を考えてきました。その方にとって「外出」とはなにか。その答えの一つに「自己実現」があるのではないかと思っていました。
一方、オリヒメ分身ロボットは、障害を持つ本人が外出しなくても、ロボットを介して外出を体験できます。また、外出先の景色や体験をオリヒメを連れている方と共有でき、オリヒメ分身ロボットカフェの「孤独の解消」というミッションが達成されます。例えば、日本の47都道府県、若しくは世界中にオリヒメ分身ロボットがいれば、物理的ハードルを乗り越えて繋がることが可能になります。
このように、「身体障害を持つ方の外出」に対して取り組むケアプロとオリヒメでは、切り口が異なり、非常に興味深い学びとなりました。今後、オリヒメ分身ロボットとケアプロのドコケアがコラボして、社会に情報発信していけたらと思っています。
現在提供している「オリヒメレンタル」のご紹介
現在、オリヒメ分身ロボットカフェでは小型の分身ロボットをレンタルできるサービスを提供しています。例えば、カフェのお客さんがオリヒメ分身ロボットカフェのパイロットとお出かけをしたいときに、分身ロボットをレンタルすることができます。
また、障害を持つ方に外出を体験してもらうために分身ロボットをレンタルすることも可能です。その際には、オリヒメの移動をドコケアの介助者がお手伝いできると良いなと思っています。
今後、身体障害を持つ方の就労や外出のサービスは発達していくでしょう。今回、取材をさせていただいた「オリヒメ分身ロボットカフェ」について多くの方に知っていただきたいです。皆さんも、ぜひ足を運んでパイロットの方と楽しい時間を過ごしてみてください。
カーリーさんの名前にちなんで注文した「スパイシーカレー」
▶︎取材日時:2021年9月4日(土)
▶︎取材場所:DAWN AVATAR ROBOT CAFE Ver β 新日本橋駅徒歩1分
【オリヒメ分身ロボットカフェ】すべての人に社会とつながり続ける選択肢を
・YouTubeチャンネル Ory Laboratory
・接客をしてくださったパイロットの方:カーリーさん「YouTubeカリメロちゃんねる」