この度、2022年11月7日に開催される内閣府の規制改革推進会議(医療・介護・感染症対策WG)にて、「訪問看護ステーションに配置可能な薬剤の対象拡充」に関する提案をします。
ケアプロでは、1事業所30名以上の総合訪問看護ステーションを運営し、新卒や新人の育成、BCP対応、ICT活用、小児からがん、難病まで幅広い方々への対応などの特徴があります。
診療看護師で特定行為を実践する佐藤もおり、重症度の高い在宅療養者に対応していくうえで、薬剤を迅速に使用することが有効な事例があることを今回の資料に整理しました。
在宅医療における薬剤使用の基本的な考え方
まず、どのような考え方で、薬剤使用の在り方を検討すべきかというと、以下の3つがあります。
- 在宅療養者のニーズに対応した薬剤使用
- チーム医療の中で合理的な薬剤使用
- 中長期的な視点を踏まえた薬剤使用
今後の在宅医療体制の中で訪問看護に薬剤配置する意義
3つの視点から、訪問看護に配置する意義があります。
- 在宅療養者のニーズに対応した薬剤使用
- ・緊急連絡を受けて、薬剤を持参し、医療処置を迅速に行うことができる
- ・退院時や夜間、土日、看取り、災害時にも活用できる
- ・家族や介護従事者に対して薬剤の使用方法の指導ができる
- チーム医療の中で合理的な薬剤使用
- ・病院や薬局、在宅医療介護関係者、家族、行政等と連携できる
- ・緊急連絡を最も受け、療養者宅に近く、訪問機会が多く、災害時に安否確認等をしている強みを活かすことができる
- ・既に衛生材料等を保管している事務所スペースがある
- ・医療機関が薬剤や酒精綿、テープ類を準備して運搬していた負担が抑制できる
- 中長期的な視点を踏まえた薬剤使用
- ・訪問看護師は11万人以上おり、事業所は14,000以上あるため、インフラとして機能しやすい
- ・必要な薬剤があれば、看護師の特定行為やオンライン診療の活用が進む
- ・超高齢多死社会において、通院や入院、救急搬送を抑え、在宅療養と在宅看取りを推進できる
詳細については、下記の資料の通りです。
※厚生労働省や日本看護協会からの資料等は、当日以降に公表されます。
今後、さらに訪問看護の機能を強化すべく、現場からの提案をしていきたいです。
現在、入院前PCR検査のために病院まで行かなければなりませんが、自宅で訪問看護師によるPCR検査を実施したり、訪問看護師による自宅でのワクチン接種が推進されたりすることも有益だと考えます。
そのため、本格化する超高齢多死社会において、薬剤のみならず、検査や予防の在り方も考え直し、「えっ、こんなことも在宅でできるの?便利で安心!」と思ってもらえるインフラになると未来は明るいです。
<参考資料>
すでに、離島等での通知は下記の通り出ています。