若い世代の健康づくり意識を高めよう！
東京都北区健康推進課とケアプロの取り組み　

働き盛りの若い世代は健康に対する意識が低い！？

昨年9月に厚生労働省より発表された平成28年度「国民健康・栄養調査」の結果によると、20-40 代は「運動習慣のある者」の割合が他の世代と比べて低く、朝食の欠食率は他の世代と比べて高いという傾向が明らかになりました。

「仕事や子育てで忙しく、自分の健康管理は後回しになってしまう…。」そんな若い世代をターゲットにした取り組みの事例をご紹介します。

20代～40代限定の健康チェック

2017年10月、2018年1月・２月に、東京都北区にて東京都北区健康推進課主催の『若い世代のワンコインで健康チェック』を開催しました。現場では「血液検査はしばらくやっていない。」「結婚を機に仕事を辞めたら健康診断に行く機会がなくなった。」そんな声が多く聞かれました。

イベント終了後、北区健康推進課　健康づくり推進係の佐藤様にお話をうかがいました。

背景～なぜ20代～40代をターゲットに！？～

北区の現状として

• がん、脳血管疾患、心疾患などの死亡率が都、国に比べ高く、（人口動態より）

また、これらの疾患の要因となる生活習慣病の患者数も多いことから（国保比較）、生活習慣病予防のために、若い世代から健康に関心をもち、健康を意識した行動をとれるようになることが重要と考えました。

また、区民対象の意識・意向調査からは

②女性の２０代、３０代の「２年以内に健診受診あり」が６割台と他の年代に比べ低い（区では４０歳未満の健康診査事業※１無し）

• ３０代、４０代で生活習慣をはじめ、健康への気配りや関心の低さなどがみられたことも年代を絞った事業企画の根拠となっています。

さらに、この世代は子育て世代でもあり、子どもたちの生活習慣改善への波及も期待しました。

※１　平成３０年度より若年健康診査（対象３０歳代）開始

「セルフ健康チェック」を活用しようと考えた理由

若い世代が、気軽に利用でき、健康に関心を持つきっかけとなる事業を検討していました。来るのを待つのではなく、アウトリーチ型の事業体を考えました。また、結果がその場でわかる（あらためて結果説明の時間の用意が不要）こともポイントと考えました。

開催にあたって工夫した点

・告知の方法

基本的な区の広報ツール（区報、ホームページ、FB、ツイッター）とポスター掲示（町会・自治会掲示版など）、チラシ配布（駅頭の広報スタンドへの設置、児童館など）を行いました。ポスター・チラシについては、この世代の目に止まるようなデザインを意識しました。

・開催場所について

若い世代が、自ら保健事業に関する情報を収集し、利用することは少ないと考え、保健事業以外のイベント来場時に、ふらっと気軽に立ち寄る事を期待し、土日開催の区内イベント（特に平成２９年度は親子連れの多く訪れるイベント）と同日で、近い場所、通りがかりの方にも目に止まる場所を探しました。また、広い会場では、同時に区職員による歩幅テストや立ち上がりテストの実施、情報コーナーも設置しました。

開催後の区民の皆様の反応

・健診を受ける機会が無かったので嬉しい。

・すぐに結果が分かることがあり難い。

・身体のことが気になりながらも、忙しさで行動を起こすことはなかった。

・イベントに来たついでに、偶然このチェックの機会があってよかった。

などの感想がありました。また、ご夫婦や、友人と一緒に受けた方は、お互いに結果を見比べ、健康に関する話題を共有されている姿もありました。

今後の目標と課題

＜目標＞

・平成３０年度より若年健診（３０歳代対象）を開始するため、当事業は、その周知・啓発も兼ねて実施し、若年健診の受診率向上につなげていく。

・自分の身体の状態を知り、健康づくりを意識する区民が増える。

＜課題＞

・会場確保について

お子さん連れの方も多く、ベビーカーで移動ができる程度の広さと、イベント以外でも対象世代が立ち寄ることの多い会場の確保。

・事業効果の検証について

終了後の後追いアンケートなどにより意識の変化を確認したいと考えているが、メールアドレスの登録などの個人情報管理が煩雑。

・対象年齢以外の方の来場時の対応。

ケアプロでは本年度も継続して「北区健康チェック事業」を開催する予定となっております。若年健診の受診率向上に貢献し、北区の若い世代の健康づくりを継続支援できるよう取り組んで参ります。

北区健康推進課　大貫様・齊藤様・佐藤様・角谷様、ケアプロ　山﨑

※北区健康推進課との取り組みはこちらの実績資料をご覧ください。

北区健康推進課様_実績資料