HbA1cとGA(グリコアルブミン)の違いと使い分けについて解説
公開日:2021/07/13 最終更新日:2023/10/17
長期の血糖値の指標としてHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は有名です。
一方で、中期的な血糖値の指標として用いられるものにGA(グリコアルブミン)という検査項目があるのをご存知でしょうか?
そこで今回は、HbA1cとGA(グリコアルミブミン)の違いとメリット・デメリットについて解説していきます。
HbA1cとは
HbA1cとは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンに、血液中のブドウ糖が結合したものです。
血液中のブドウ糖濃度が高いと、ヘモグロビンに多くのブドウ糖が結合するため、HbA1c値は高くなります。
赤血球は骨髄で作られる細胞ですが、肝臓・脾臓で寿命で壊されるまでの約120日もの間、体内を巡り、その間に余分なブドウ糖と結びつきます。
そのため、HbA1c値を測定することで、過去のおよそ1〜2ヶ月の血糖の平均的な状態を知ることができるのです。
HbA1cを測定するには
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、以下のような場所で検査をすることができます。
- 病院
- 診療所
- 検体測定室
- 郵送検査
詳しくはこちらの記事で解説しています。
HbA1c値は、さまざまな病気や体の状態によって、高値や低値を示す場合があります。
高値を示す例としては、急激に糖尿病が改善した例や妊娠している場合です。
低値を示す例としては、急激に悪化した糖尿病や、血糖値の寿命を短縮する病気(肝硬変など)などの場合です。
HbA1c値測定のメリット・デメリット
メリット
- 採血時点のブドウ糖濃度に影響されず、過去に遡って値を知ることができる。
- 長期間、糖尿病治療を行っている方の治療の効果や血糖値を管理できる。
デメリット
- 血糖値の急な変化を測定できない。
- 病気や身体の状態に影響を受ける。
GA(グリコアルブミン)とは
GA(グリコアルブミン)とは、血液中の血清アルブミンに、血液中のブドウ糖が結合したものです。
血液中のブドウ糖濃度が高いと、アルブミンに多くのブドウ糖が結合するため、GA(グリコアルブミン)値は高くなります。
血清アルブミンは肝臓で合成され、約17日で血液中から半減し、その間に余分なブドウ糖と結びつきます。
GA値を測定することで、過去およそ二週間の血糖の平均的な状態を知ることができます。
GA(グリコアルブミン)を測定するには
GA値は、以下のような場所で検査ができます。
- 病院
- 診療所
GA値は、病気などによって、高値や低値を示す場合があります。
高値を示す例としては、アルブミンの寿命が延長する、肝硬変や甲状腺機能低下症などです。
低値を示す例としては、アルブミンの寿命が短縮する、ネフローゼ症候群や甲状腺機能亢進症などです。
GA値測定のメリット・デメリット
メリット
- 採血時点のブドウ糖濃度に影響されず、過去に遡って値を知ることができる。
- HbA1cに比べ、短期間の血糖の平均値を知ることができる。
- 糖尿病治療の開始や治療薬の変更など、何か変化があったときに、短期間で治療の効果を確認できる。
デメリット
- 病気や体の状態に影響を受ける
HbA1cとGA(グリコアルブミン)の違いまとめ
以上のように、HbA1cとGA(グリコアルブミン)はそれぞれの特徴があり、場面に応じて使い分けることが重要です。
今回の記事で、それぞれのメリットとデメリット、特徴を理解し、自分の健康維持のために役立てていただけますと幸いです。
参考
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