早期発見が何より大事!子宮頸がんとはどんな病気なのか、そのリスクと予防法をわかりやすく解説
公開日:2023/01/12 最終更新日:2023/10/20
こんにちは。この記事をご覧いただきありがとうございます。
この記事は、ケアプロ予防医療事業部の臨床検査技師スタッフが監修しています。
今回は、女性の病気の代表ともいえる「子宮頸がん」について、医療の有資格者の監修の元、わかりやすくお話ししていきます。
子宮頸がん、というと大物女優さんが罹患してニュースになったり、ワクチンに関して話題になったりと、一般の方々の中での認知度が上がってきてるような印象を受けます。
でも実際のところ、
・子宮頸がんが一体どういう病気なのか、くわしくは知らない。
・子宮頸がんがどれだけ怖いのか、よく分からない。
・子宮頸がんって治るものなのか知らない。
ということがあるのではないかなと思います。
最初に結論を言ってしまうと、
「子宮頸がん」は自分自身ではとてもわかりづらい怖い病気です。
つまり、風邪をひいたときみたいな分かりやすい症状があまりなく、「いよいよおかしい」というところまで進行してしまうと命に関わる状態になっている、というケースが多いのです。
くわしくは後ほどお話しいたしますが、
子宮頸がんの進行はそれほどまでにとてもゆっくりで、そして自覚症状がほとんどないままに起こります。
また、女性であれば誰にでも罹患する可能性があり、いざ罹患して
「まさか自分が……!」
という場合もあります。
このように何も対策しなければ恐ろしい子宮頸がんですが、しっかりと正しい知識を付けて、予防の行動を取っていればほぼ確実に防げる病気です。
この記事では臨床検査技師スタッフの監修の元、
・子宮頸がんとは一体どんな病気なのか。
・子宮頸がんはどんなリスクがあるのか。
・子宮頸がんを防ぐための方法。
について解説していきます。
是非最後までお読みいただき、
子宮頸がんの予防にお役立ていただけましたら幸いです。
子宮のがんには二種類ある
子宮頸がんについて全く知らない方が勉強する時に、
まず気になるのが「子宮頸がん」の「頸」の文字です。
わざわざ「頸」の文字を当ててるくらいだから、
それ以外に子宮のがんがあるのでは?
と思ったなら鋭いです。正解です。
このことについて解説する前に、まずは「子宮そのもの」について軽くお話しいたしましょう。
そもそも子宮ってどんな器官?
誰もがご存知の通り、子宮は胎児を育てる臓器としてとても重要な臓器です。
骨盤の中にあり、洋ナシを逆さにしたような形をしていて筋肉でできるのが特徴です。
画像を見てのとおり、上部は左右の卵管につながっており、
下部にある子宮口は膣に通じます。
そして子宮は大きく子宮体部と子宮頸部の二つに分かれています。
「子宮頸がん」の「頸」とはまさに、この「子宮頚部」のことを指しています。
子宮のがん①:子宮体がん
子宮頸がんがあるのなら、もちろん「子宮体がん」も存在します。
子宮体がんは文字通り、子宮体部に発生するがんです。
そのほとんどは、子宮体部の内側にある子宮内膜という組織から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれます。
この子宮内膜は、卵巣から分泌される卵胞ホルモンの作用をうけて月経を起こす役割があります。
子宮体がんは、この子宮内膜の組織の異常から発生するのですが、「エストロゲン」という女性ホルモンが異常に多く分泌されることが原因となることが多いです。
子宮のがん②:子宮頸がん
子宮頸がんは、先ほど解説した子宮の入り口付近である子宮頸部に発生するがんです。
入り口付近で発生するがんですが、早期段階での自覚症状がほとんどないことも多く、進行すると子宮や卵巣を摘出しなければならなくなることもあります。
子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めており、女性のがんの代表的なものの一つとして有名です。
昔は40~50歳代で発症する方が多かったものの、現在は20~30歳代が多く、ピークは30代後半となっています。
患者数は毎年約1万人程度であり、うち約3000人が死亡するリスクの高い病気です。
この患者数と死亡数は年々増加しており、先進国では日本のみとなっています。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因です。
HPVはごくありふれたウイルスであることが知られています。
性的接触により子宮頚部に感染し、自然な排出や自然治癒しなかった一部のケースにおいて、子宮頸がんにつながっていきます。
このように、子宮頸がんは特別なものではなく、誰にでも罹患する可能性があるのが特徴です。
子宮頸がんのステージ分類
子宮頸がんは病期によってステージが分類されており、
どのステージにいるかによってリスクや治療方針が変わってきます。
大きく分けると、
1)前がん病変(高度異形成)
2)上皮内がん・微小浸潤がん(進行期1A1期)
3)進行期1A2期から2B期
4)進行期3期・4期
などがあります。
細かくステージを分類すると多岐にわたり、また治療方法も数多く存在します。
どの治療法を選択するかは、合併症の有無や将来的な妊娠の希望などによって変化するため、担当の医師とのコミュニケーションが重要です。
また、子宮頸がんは進行すればするほど生存率が低くなり、子宮・卵巣の摘出などのリスクが高まっていきます。
子宮頸がんの症状
子宮頸がんは通常、早期にはほとんど自覚症状がありません。
そのため、検査をしなければ早期での発見をすることは困難です。
しかし進行するにしたがって
・異常なおりもの
・月経以外の出血(不正出血)
・性行為以外の際の出血
・下腹部の痛み
などが現れてきます。
これらの症状がある方は、早急に婦人科にかかって診察を受ける必要があります。
ただし、自覚症状が出るほど進行している場合、その分リスクも大きくなるため検査による早期発見がとても重要です。
子宮頸がんの検査方法
このように、検査による早期発見・進行の予防が重要な子宮頸がんですが、
厚生労働省の指針では20歳以上の女性を対象に、2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受診することが推奨されています。
今回は、代表的な検査方法を2つ紹介いたします。
子宮頸がんの検査方法①:医療機関での検査
これは病院やクリニックなどの医療機関で、医師が検体を採取して検査機関にて検査する方法です。
大きく、
「検査精度が高い。」
「医師による結果説明を直接聞くことができる。」
というメリットがあります。
この方法は、多くの自治体で満20歳以上の方は2年に1回測定することができます。
費用などは自治体によりますので、詳しくはお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。
子宮頸がんの検査②:自宅で検査をする
子宮頸がんの検査は自宅でも行うことが出来ます。
検査キットはネット通販やドラッグストアで購入することができ、好きなタイミングで検査を行うことができるのが特徴です。
また
「わざわざ病院・クリニックに行かなくても良い。」
「検査結果をメール等で確認することができる。」
というメリットがあります。
しかし、医師による診断はなく、また自己採取のため精度は落ちる可能性があります。(キットによっては高い精度のものもあります)
そのため、検査結果はうのみにせず、参考程度にするのが適切です。
もし検査結果に不安がありましたら、遠慮せずに医療機関に受診することをオススメします。
子宮頸がんのまとめ
このように子宮頸がんは、誰にでも罹る可能性があり、進行するとリスクが高くなる怖い病気ですが、適切に検査をして早期治療をすることで対策することができます。
繰り返しますが、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)はごくありふれたウイルスであり、誰にでも感染する可能性があります。
そのため、子宮頸がんの対策としては、
・HPVのワクチンを接種する。
・HPVの検査を行う。
・子宮頸がんの検査を行う。
が有効となります。
HPVについてはまた別の機会にお話しいたしますが、
もし気になるようでしたら、まずは子宮頸がんの検査を行ってみることをオススメします。
それではここまでご覧いただきありがとうございました。
その他の記事はこちら
弊社の健康チェックイベントを導入していただいた企業のインタビュー記事となっております。
様々な企業と協働しながら、健康に関連する様々な社会課題の解決に取り組んでおります。
弊社が全国で健康イベントを行い、得られた独自情報を公開しています。
検査や病気について、一般の方向けに解説しています。
弊社の予防医療事業部のあゆみについてご紹介します。