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2020.04.12

代表ブログ

新型コロナ危機とケアプロ

昨夜、新型コロナウイルスによって、世界で10万人以上が亡くなったという悲しいニュースを聞きました。今も、日本での感染拡大に、不安を感じている方は多いと思います。そして、私自身も不安を抱きつつ、一方で、ヘルスケア企業の経営者として、この長期戦に覚悟をもって取り組んでいく所存です。現状を共有し、お互いの認識をすり合わせ、支え合えるようにすべく、下記、ケアプロの現状や対策の概要を共有します。

 

まず、予防医療事業部は、全国でのセルフ健康チェックイベントを行っており、糖尿病や脂質異常症、肝機能異常、COPD、フレイル等のリスクを把握し、早期発見・予防・治療の取り組みをしていますが、スーパーマーケットやフィットネスクラブ、商店街、パチンコ、企業オフィス等でのイベント自粛の影響を大きく受けています。広告代理店やイベント業界、展示会等の企業の皆さんは本当に苦労されていると思いますし、私たちの取引先が破産手続きに入ったという連絡が書面で届くことがありました。早々に、テレワークに移行していき、クライアントの皆様と、今後のイベント再開に向けた調整をしています。また、新入職員へのサポートやアルバイト社員の雇用維持等については特に大きな課題と認識しています。一方で、基礎疾患のある方々の健康管理へのニーズや感染症や抗体の検査ニーズ、遠隔での健康相談ニーズなど、危機の一方で、社会的課題を解決する事業機会とも捉えられます。現場のスタッフから営業スタッフ、総務スタッフ、管理職まで、ICTツールを駆使しながら、皆で一丸となって、この難局を乗り越えていこうと取り組んでおり、非常に心強いです。ただ、先の見えない状況があるため、不安な気持ちもありますし、イベントが再開されたとしても、感染拡大防止の観点を踏まえたり、社会的な風評被害を考えたり、様々な視点で、考えていく必要があります。しかし、今まで以上に、生活習慣病の予防や日々の健康管理の重要性をコロナが考えさせてくれる機会になりました。まずは、コロナ終息のためにできることを行い、その後に、今まで以上に健康的な社会づくりに向けて貢献していけたらと思います。

 

次に、在宅医療事業部は、訪問看護と居宅介護支援をしており、独居の方もおり、看護師やセラピスト(理学療法士等)、ケアマネジャーらが訪問した際に、感染させてしまうリスクも、感染するリスクもあります。利用者やご家族も、この危機の状況で、在宅医療や介護を利用し続けるべきか、利用頻度を減らすべきか等を考えていらっしゃる方も多いです。ケアする側も、ケアされる側も、検温し、マスクし合いながら、サービスをしており、普段と違う緊張感の中で、お互いをいつも以上に思いやる機会になっています。肺炎など重症化リスクの高い方もいるため、もしコロナの疑いになった場合や濃厚接触があった場合のフローが重要ですが、入院できる医療体制のキャパシティもあるため、地域全体のリソースを活用していけるかが課題です。現場の最前線で、ケアをするスタッフは、常に感染リスクがあり、濃厚接触した場合は、そのスタッフの自宅待機中に他のスタッフが訪問できるように供給体制に余裕を持てるように取り組んでいます。また、事務所でみんなで顔を合わせる機会が安らぎにもなりますが、直行直帰を増やし、スタッフ同士の物理的接点を減らしています。他事業者からのコロナ関連の報告を受けるようになり、職員の安全衛生と地域の医療介護ニーズというジレンマの中で、現場のスタッフから事務スタッフ、管理職が、24時間365日体制で取り組んでいることには、本当に頭が下がります。そのような中、とある看護師は、銭湯で裸にマスクをしたままシャワーを浴びて周囲の方から笑われるということもありました。相当疲れがたまっていたか、マスクが一心同体になるほど感染対策が身に染みていたのだと思います。そして、こういった危機において、需要と供給の大きな変化に弾力的に対応できる総合訪問看護ステーションのモデルを確立する機会ととらえています。特に、在宅医療介護従事者は小規模事業者が多く、マスクや消毒等の調達ノウハウや危機管理ノウハウ、感染管理の専門的ノウハウが蓄積されていないところもあるため、こういったことを総合的に地域でリーダーシップを発揮していくことが求められます。なお、数か月後には梅雨やゲリラ豪雨が東京には来ます。その時の避難や避難所での感染リスク対応など、今から次のリスクに備える必要があります。

 

そして、新規事業の交通医療事業部は、外出支援が必要な方と介助者をマッチングするプラットフォームサービス「ドコケア」を開発しています。本来であれば、すでに、事業を開始している予定でしたが、外出自粛のため、現在は、登録のみとし、マッチング開始までにできるサービス改善(ウェブアプリ改修等)や継続的なニーズ調査(登録者へのインタビュー等)、採用活動(エンジニアや総務等)、そして外出が可能になった時のための企画準備をしています。特にコロナによって外出で困っている方々のニーズの把握と解決策の検討です。医療的ケア児や難病、障がい者、認知症、がん末期、心不全等で、外出が困難な方がいますが、「自由に、安全に、外出できる」という当たり前の権利が実現できるようにしたいです。「ドコケア」の開発メンバーにとっては、せっかくのスタートが延期され、ショックでしたが、コロナが落ち着いてきたときに、外出したいと思った人たちの希望にお応えできるようにするための準備期間として、一日一日を大切に過ごしています。スポーツ観戦をしたいという重度障害の方も登録してくださいましたが、そのような方が、のびのびと、青空の下で、そよぐ風を感じられる日が待ち遠しいです。新規事業は、人間と同様に、生まれ育つ時代の影響を大きく受けます。混乱期は、新しいチャレンジを控えることが多いのですが、だからこそ、チャンスだとも言えます。数年後、10年後に、コロナの危機の中でも、積極的に次代を見越して挑戦したことが良かったと振り返ることができるようにします。

 

管理部門(グループ統括)は、資金繰り準備やテレワーク助成金活用等を進めています。また、2月末の全社会議からWEB動画で実施しましたが、様々な社内イベントを遠隔または動画で行うようにしています。リモートワークの推進のため、改めて規程も刷新しました。なお、書類や郵便物、捺印などで必ず事務所に出勤しなければならないこともあり、日本の商習慣の制限は限界となっています。小さい管理部門ではありますが、一人一人のメンバーや管理職が、全社や外部とのことをしっかり考えて取り組んでいます。

 

経営者としては、お客様や社員、家族を守り、そして地域のヘルスケアニーズに応えながら、事業を継続していく、さらには、このような危機を乗り越える中で、事業として、組織として、成長していく機会にしたいと考えています。ただ、がむしゃらにではなく、客観的に自分たちの状況をとらえること、そして、メンバー、上司、事業部、経営者、会社の各機能のそれぞれが役割を自ら発揮しながら、お互いがサポートし合えるようなバランスを重視しています。やはり、現場のメンバー、上司、事業部、経営者、会社のそれぞれで持っている情報やできることが異なります。ニュースやSNS等では、不安によって、誰かを非難したり、人のせいにしたり、といったことがあり、一つの正常なストレス反応ではあると思うものの、健全なエネルギーに変えていくためのコミュニケーションが大切です。コロナに限らず、本当に困ったときや大変な時にこそ、組織力や信頼関係が試されます。こういう時に短期的な判断をせず、焦らずに、落ち着いて対応していく必要があります。そして、こういう時だからこそ、積極的に採用や育成、研究開発投資をすべきだと考えます。ケアプロ創業期のリーマンショック、第二創業期の3.11、今回のコロナ。このような時に、価値観が大きく変わり、生きる意味を考え、社会課題を解決することにチャレンジしようという熱い人材も集まりやすくなりますし、課題解決するサービスへの応援も増えていきます。

 

個人としては、2つの象徴的な事件がありました。1つ目は、2月3日に、最近テレビに出られている医師の方と、その方の病院で打ち合わせをしていた時に、その先生に厚生労働省から検疫関連の電話がありました。もう1つは、翌日、別件で、桜木町のランドマークタワーで打ち合わせがあり、横浜港周辺からのクレームで停泊できず、湾の中にポツンと浮かぶ「ダイアモンド・プリンセス」を見ました。勝手ながら、感染対策の神から「気をつけるんだよ」というお告げと捉えました。その後、社内でも、各事業部中心に迅速に対応してもらいながら、全社のBCMを遂行しています。正しい情報を得て、適宜、情報共有するようにし、インフォーマルな声掛けやWEB会議でも状況を確認し合ったり、頑張っていることを認めあったりするように心がけています。スタッフもストレスを抱え、また、自分自身も、ストレスがあるため、健康に気をつけています。室内エクササイズや規則正しい生活、睡眠、断酒、栄養バランスの取れた食事、本やWEB映画鑑賞、自分の所感を日報に記載、友人や経営者仲間との相談をしています。

 

さて、上記のことは現時点のことであり、刻々と変わっています。今朝のテレビ番組では、日本看護協会の福井会長が、わかりやすく、切実に、温かい言葉で、国民の皆さんや医療介護従事者に協力してほしいことやエールのお言葉がありました。私も、別途、福井会長と電話で話させていただいたところ、病院だけでなく、学童や保育園、保健所等でも、看護職が求められており、復職できる人のマッチングが課題になっています。そして、今後は、軽症者が居住・療養されるホテル等にも看護職が必要になってくるでしょう。200年前に生まれたナイチンゲールが、クリミア戦争で感染対策で貢献したときと時代は違うものの、歴史は繰り返されています。これまでの難局を乗り越えてきた歴史や個々の経験も大切にし、生命や雇用、安全、信用、挑戦の優先順位を高め、経済(血液)は回しながら回復していけるよう、長期戦を乗り越えていきたいと思います。皆さんにおかれましても、様々な不安や苦労があると思いますが、お互いに支え合って、乗り越えていきましょう。