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公開日:2022/11/21

代表ブログ

第12回日本在宅看護学会学術集会長レポート

はじめに

お陰様で、第12回日本在宅看護学会学術集会が無事に終了しました。現地会場は、とても温かい空気感で、真剣な議論もあれば、笑いもあり、とても心地よい気が流れていました。

https://zaitakukango12th.com/

※2022年11月30日まで、オンデマンド配信をしており、申し込み可能です

今後、初めて学術集会をされる方のためにも、学術集会の大切なことを遺しておこうと思います。なお、参加者からのアンケートを集計しており、反省すべき点について、改善に繋げていけたらと思います。

 

初めての学術集会長

日本在宅看護学会の山田雅子理事長より打診を受け、コロナ対応等で大変な中ではありましたが、学会運営事務局を担うことになるケアプロ在宅医療のマネジャーらが「やりたい!やるべき!できる!」と言ってくれました。一年以上前から準備し、通常業務もある中で毎週mtgをし、「参加者が増えない!?」など、不安になることも多かったのですが、多くの参加者(現在960名)となりました。

ケアプロ在宅医療代表の金坂をはじめ、訪問看護やケアマネ、事務の面々が、準備をしましたが、岡田と小林は、イベント会社の玄人に見えてなりませんでした。この仲間の存在が最大の成功要因でした。

学会に参加する立場でしたが、学会を主催する立場になり、全てを自分事で取り組むことで、多くの方々の支えがあって成り立つことに感謝しました。当たり前のように見えるものも、当たり前ではないです。

 

学術集会長の任務

学術集会長も経営と同じでした。大切なことは、コンセプトや方針、組織、予算、ガバナンスと意思決定、リスクマネジメントです。

そして、2022年の今だからこそ、私たちケアプロがやるからこそ、「在宅看護のサステナビリティ」というテーマにしました。在宅看護業界の人材不足を憂いて新卒訪問看護師の育成に取り組んできたことや、災害リスクの高い在宅療養者が増えることに対して訪問看護BCPの作成や普及に取り組んできたこと、訪問看護の事業承継を経験してきたこと等を踏まえ、高齢者数がピークを迎える20年後に向けて、サステナビリティが鍵となります。

 

 

なお、本学術集会としては、2年続けてオンライン開催でしたが、今回は初のリアルとオンラインのハイブリッド開催をする方針とし、準備も運営も予算も大変ではありましたが、それを実現する企画委員と運営・実行委員の体制を構築して頂きました。みなさん、ありがとうございました。

そして、うまくいかないことは何度もありましたが、理事や関係者に率直に相談し、協力いただいて、乗り越えていくことができました。

 

様々な支援や協賛、後援

公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団や公益財団法人セコム科学技術振興財団の助成を受けたり、中野区のストローハット様をはじめ、多くの企業や業界団体、メディアの方からご支援いただきました。

 

中野サンプラザでの開催

ケアプロ本社がある中野で開催できたことも嬉しかったことです。駅からのアクセスはよく、中野の活気を感じていただきました。中野区長や中野区の方々にもご協力いただきました。

 

学術集会長講演

私からは「在宅看護のサステナビリティ」について、生態系のフレームワークに沿って、ケアプロでの10年以上の取り組みをご紹介しました。

 

そして、今後のサステナビリティを考える上での人口動態から考えた生産性の目標目安を紹介しました。

 

そこで、都心で生産性を高めるシナリオを紹介しました。

 

民間企業が増える中での世代別の事業承継・統合のニーズがあります。

 

 

その中で、事業承継を経験しているケアプロの戦略を事例として話しました。

ケアプロの子会社であるケアプロ在宅医療の株式譲渡の詳細は以前のブログでも紹介しました。

 

各種企画

在宅看護の現場や経営、教育、研究はもちろん、8050問題に対する中野区の取り組み、カナダから来日した野々内さんからスタッフを守る取り組みの紹介、医療的ケア児の親の会であるみかんぐみの皆さんやロボットカフェで働く障害者の方々の話もありました。ご自宅から寝たきりでもロボットを操作できることには会場の皆さんが驚かれていました。

 

また、おくりびとによるデモンストレーションも行われました。私はお亡くなりになる役をさせて頂きましたが、意識がなくなり、亡くなった故人も大切にしていただくことは大変重要なことだと思いました。

 

場外の立ち話

シンポジウム等の合間には、コロナで数年間会っていなかった方々と再会し、新たな出会いもあり、話が尽きませんでした。それぞれの今後のビジョンや課題などお互いに意見交換をすることができました。こういったカジュアルな情報交換を効率的にできるのは、リアル学会の良さだと思いました。

 

大学時代の親友やお世話になっている方々とも談話

 

トライアスロン部発足の副産物

学術集会長講演の最後のページに私が練習3ヶ月で初めてのトライアスロンを完走した写真を入れたところ、多くの看護職の方から反響をいただき、ケアプロ社外の方も含めて、5名でケアプロトライアスロン部を発足することになり、来年の大会に出場することになりました。そして、今回の学会参加者のとある方が近寄ってきて、「実は香川県高松市のトライアスロンを運営しています!」ということで、高トラに出る方向となりました。

 

次回の学術集会に向けて

第13回日本在宅看護学会学術集会の集会長は清水準一さん(東京医療保健大学 千葉看護学部 教授、日本在宅看護学会 副理事長)であり、「在宅看護、すぐそばに在る」をテーマに、2023年11月18・19日に、会場+遠隔のハイブリッドで開催される予定です。

今回の学会参加者の方には、ぜひ来年も参加してほしいことと、できれば、演題発表等に挑戦してほしい旨を伝えました。

今回、学会非会員の方が多く、初めて学会に参加した方も多かったのですが、「楽しいし、現場で困っていたことがあったけど、勉強になった」と価値を実感していただきました。

また来年の学術集会でお会いできることを楽しみにしていますし、清水学術集会長と一緒に、みんなで盛り上げていきたいです。

 

おわりに

今回の学術集会が、関わられた方々にとって、少しでもためになり、業界全体のサステナビリティに貢献できたとしたら成功です。私やケアプロ社員も今回の大役は人生の中で貴重な経験となり、成長する機会となりました。改めて、皆様に感謝申し上げます。